医療費控除のやり方|対象になる費用・10万円の基準・明細書とセルフメディケーション税制

医療費控除のやり方|対象になる費用・10万円の基準・明細書とセルフメディケーション税制 請求書・会計
窓辺でノートパソコンを使って仕事をする人のイメージ
イメージ写真:Studio.Stock

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更新日:2026-11-04

結論:1年間の医療費が「10万円(または総所得金額等の5%)」を超えたら、確定申告で控除を受けられます

  • 医療費控除は、1月1日から12月31日までに、自分や生計を一にする家族のために支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる所得控除です(国税庁タックスアンサー コード1120)
  • 控除額は「支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 10万円」で、最高200万円です。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を差し引きます
  • 申告では、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作って、確定申告書に添付します
  • セルフメディケーション税制とは、どちらか一方しか選べません。自分のケースは国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士に相談しましょう

ひとことで言うと

医療費控除は、たくさん医療費を払った年に、税金の計算で所得から差し引ける制度です。

家族の分も、生計が同じなら合計できます。

受けるには、確定申告で「医療費控除の明細書」を出します。領収書は捨てずに保管しましょう。

この記事の信頼性

情報源
国税庁 タックスアンサー(コード1120・1122・1129・1131、No.2030・No.2020)、医療費控除の対象となる医療費に関するQ&A、マイナポータルと連携した所得税確定申告手続
情報の確認日
2026-11-04(タックスアンサーは「令和8年4月1日現在法令等」)
掲載方針
国税庁が公表している内容だけをまとめています。税金の個別の判断は扱いません

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目次(10項目)
  1. 医療費控除とは?
  2. 10万円の基準と控除額の計算
  3. 医療費控除の対象になる費用・ならない費用
  4. 医療費控除のやり方(申告の流れ)
  5. いつまでに申告する?
  6. セルフメディケーション税制との違い
  7. 確定申告をソフトで作るなら
  8. よくある質問(FAQ)
  9. 情報源
  10. 広告表示について

医療費控除とは?

国税庁のタックスアンサー(コード1120)では、医療費控除の対象となる医療費の要件が、次の2つとされています。

No. 要件
(1) 納税者が、自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること
(2) その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること

この表の見方:2つとも当てはまる必要があります。(2)について、まだ払っていない医療費は、実際に支払った年の医療費控除の対象になると案内されています。

言葉のメモ:

  • 所得控除:税金を計算するもとになる所得から、差し引ける金額のことです。
  • 生計を一にする:同じお財布で生活している、という意味です。くわしい判断は、国税庁の質疑応答事例などで確認してください。

10万円の基準と控除額の計算

コード1120では、医療費控除の金額は次の式で計算した金額(最高で200万円)とされています。

  1. 計算1

    実際に支払った医療費の合計額から、「保険金などで補てんされる金額」を引く

  2. 計算2

    計算1の金額から、「10万円」を引く(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を引く)

  3. 計算3

    残った金額が医療費控除の金額(最高200万円)

引くもの 国税庁の案内(コード1120)
保険金などで補てんされる金額 生命保険契約などで支給される入院費給付金や、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
10万円 その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%

この表の見方:「10万円」は、すべての人に共通の金額ではありません。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円より少ない「総所得金額等の5%」が基準になります。

計算の例(コード1120の式に当てはめたもの):

  • 支払った医療費が15万円、保険金などの補てんがなく、総所得金額等が200万円以上の人 → 15万円 − 0円 − 10万円 = 5万円が医療費控除の金額です。

保険金などの補てんについての注意(コード1120):

  • 補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が出ても、ほかの医療費からは差し引きません。

言葉のメモ:

  • 総所得金額等:1年間の所得を、税法のルールで合計した金額のことです。収入そのものではない点に注意しましょう。
  • 高額療養費:健康保険から、医療費の自己負担が高くなったときに払い戻されるお金のことです。

いくら戻るかは、医療費控除の計算ツールで、金額を入れるだけで目安を確認できます。

医療費控除の対象になる費用・ならない費用

国税庁のタックスアンサー(コード1122)では、医療費控除の対象となる医療費は、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。主なものをまとめると、次のとおりです。

費用 対象になる?(コード1122の案内)
医師・歯科医師による診療や治療の対価 対象(健康診断の費用や医師などへの謝礼金は、原則として対象外)
治療や療養に必要な医薬品の購入費 対象(風邪薬などは対象。ビタミン剤など、病気の予防や健康増進のための医薬品は対象外)
あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師による施術 対象(疲れを癒す、体調を整えるなど、治療に直接関係のないものは対象外)
通院費(電車・バスなど) 診療を受けるために直接必要なもので、通常必要なものは対象
タクシー代 電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除き、対象外
自家用車で通院するときのガソリン代・駐車場代 対象外
入院の際の部屋代や食事代、医療用器具(コルセットなど) 診療を受けるために直接必要で、通常必要なものは対象
助産師による分べんの介助 対象
介護保険制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額 対象

この表の見方:コード1122には、ほかにも義手・義足・補聴器・義歯などの購入費用、一定の条件を満たすおむつ代(医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要)などが挙げられています。自分が払った費用が当てはまるかは、コード1122のページで確認してください。

人間ドックやメガネについて、国税庁のQ&A(コード1122のQ&A)では、次のように案内されています。

  • 人間ドックや健康診断の費用は、病気の治療ではないので、原則として対象外です。ただし、その結果、重大な病気が見つかり、引き続きその治療を行った場合は、健康診断などの費用も対象になります(Q1)。
  • 近視や遠視などのために日常生活で使うメガネの購入費用は、対象外です。ただし、医師の指示で治療のために必要なメガネとして使うものなど、一定の場合は対象になります(Q3)。
  • 海外旅行先で、外国の医師に支払った医療費も対象になります(Q4)。

医療費控除のやり方(申告の流れ)

コード1120では、医療費控除に関する事項などを書いた確定申告書を、所轄税務署に提出するよう案内されています。

医療費控除を受けるまでの流れ
  1. 1集める1年間(1月1日〜12月31日)の医療費の領収書や、医療費通知を集める
  2. 2計算する支払った医療費から、保険金などの補てんと10万円(または総所得金額等の5%)を引く
  3. 3明細書を作る領収書をもとに「医療費控除の明細書」を作る
  4. 4申告する明細書を添付して、確定申告書を所轄税務署に出す
  5. 5保管する領収書は、確定申告期限等から5年を経過する日まで保管する
書類 国税庁の案内(コード1120)
医療費控除の明細書 医療費の領収書から作成し、確定申告書に添付
医療費通知 医療保険者から交付を受けた医療費通知がある場合は、添付することで明細書の記載を簡略化できる
医療費の領収書 明細書の内容を確認するため、確定申告期限等から5年を経過する日までの間、提示や提出を求められる場合がある(医療費通知を添付したものを除く)

この表の見方:領収書そのものは、原則として申告書に添付しません。ただし、税務署から求められることがあるので、5年間は手元に残しておきましょう。

明細書づくりを楽にする方法(国税庁の案内):

  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額を入力すると、確定申告書を作成・提出できます。必要な付表や明細書も、入力することで自動的に作成されます(コード1120)。
  • 領収書の枚数が多い人は、国税庁の「医療費集計フォーム」(エクセルなどで入力・集計するフォーマット)を使い、そのデータを確定申告書等作成コーナーで読み込めます。ただし、セルフメディケーション税制を使う人は、このフォームを使えません(コード1120)。
  • マイナポータル連携を使うと、毎年2月9日以降、保険診療分の医療費通知情報を取得できます。ただし、はり・きゅう等の施術費用や整骨院・接骨院の柔道整復療養費など、取得できない情報もあります。使うには事前準備が必要です(国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」)。

確定申告で用意するほかの書類は、個人事業主の確定申告に必要な書類にまとめています。

いつまでに申告する?

ケース 国税庁の案内
確定申告をする人 申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日まで、申告と納付の期限は原則として翌年3月15日(No.2020)
還付申告(納めすぎた税金を返してもらう申告)をする人 確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できる(No.2030)

この表の見方:No.2030では、給与所得者が還付申告できる例として「多額の医療費を支出したとき(医療費控除)」が挙げられています。ただし、源泉徴収された所得税や予定納税をした所得税がない人は、申告しても還付される所得税はないと案内されています。

セルフメディケーション税制との違い

セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例です(コード1129)。一定の健康診断や予防接種などを行っている人が、スイッチOTC医薬品などを買ったときに使えます。

項目 通常の医療費控除(コード1120) セルフメディケーション税制(コード1129)
対象 医療費(コード1122の範囲) 特定一般用医薬品等購入費(スイッチOTC医薬品などの購入費)
差し引く基準 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%) 12,000円
控除額の上限 200万円 88,000円
条件 上の「医療費控除とは?」の要件 申告する人が、その年に健康の保持増進と疾病の予防のための「一定の取組」を行っていること
添付する明細書 医療費控除の明細書 セルフメディケーション税制の明細書

この表の見方:2つは「どちらか一方を選ぶ」制度です。コード1131では、セルフメディケーション税制を選んだ人は通常の医療費控除を受けられず、通常の医療費控除を選んだ人はセルフメディケーション税制を受けられないと案内されています。

セルフメディケーション税制について、国税庁の案内(コード1129・1131):

  • 「一定の取組」には、保険者が実施する健康診査(人間ドック、各種健(検)診など)、予防接種(定期予防接種、インフルエンザワクチンの予防接種)、勤務先で実施する定期健康診断、特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、市区町村が実施するがん検診などがあります。
  • 「一定の取組」を行っている必要があるのは、申告する本人です。生計を一にする家族が行っている必要はありません。
  • 対象の商品は、購入の際の領収書などに、セルフメディケーション税制の対象商品である旨が表示されています。具体的な品目は、厚生労働省ホームページの「対象品目一覧」で確認するよう案内されています。
  • 人間ドックなど「一定の取組」にかかった費用は、セルフメディケーション税制の対象になりません。
  • 一度どちらかを選んで確定申告書を出したあとは、更正の請求や修正申告で、もう一方に変更することはできません。

言葉のメモ:

  • スイッチOTC医薬品:医師が処方する医薬品(医療用医薬品)から、ドラッグストアで買えるOTC医薬品に転用された医薬品のことです(コード1129)。
  • 更正の請求:出した申告書の税金が多すぎたときに、正しい金額に直してもらうよう求める手続きです。

確定申告をソフトで作るなら

医療費控除をふくむ確定申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作れます。個人事業主などで、日々の記帳から申告書づくりまでを会計ソフトで行う方法もあります。料金・機能は各公式サイトで確認してください。

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2つのサービスの比べ方は、freeeとマネーフォワードの比較にまとめています。マネーフォワード クラウド確定申告については、マネーフォワード クラウド確定申告の解説も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 医療費が10万円を超えないと、医療費控除は受けられないのですか?

A. コード1120では、支払った医療費(保険金などの補てんを除く)から10万円を引くとされていますが、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%の金額を引きます。そのため、10万円を超えていなくても対象になる場合があります。

Q. 家族の医療費も合計できますか?

A. コード1120では、自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象とされています。生計を一にしているかどうかの判断は、国税庁の情報や税務署で確認してください。

Q. 医療費の領収書は、申告書に添付しますか?

A. 領収書から「医療費控除の明細書」を作って添付します。領収書は、確定申告期限等から5年を経過する日までの間、税務署から提示や提出を求められる場合があるため、保管しておきましょう(医療費通知を添付したものを除く)。

Q. セルフメディケーション税制と医療費控除は、両方使えますか?

A. 使えません。コード1131では、どちらか一方を選んで適用すると案内されています。また、選んで確定申告書を出したあとに、もう一方へ変更することはできません。

Q. 自分がどちらを選べばよいか分かりません。

A. 医療費の金額や所得、健康診断などの取組の有無によって変わります。この記事は、国税庁の公表内容をまとめたものです。自分のケースについては、国税庁のホームページで最新の情報を確認するか、税務署や税理士に相談してください。

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