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更新日:2026-10-28
結論:65万円は「55万円の条件」に、e-Taxでの申告か電子帳簿保存を加えたもの
- 青色申告特別控除には、65万円・55万円・10万円の3つがあります(国税庁タックスアンサーNo.2072)
- 55万円の条件は、事業を営んでいること、複式簿記などで記帳すること、決算書を添付して期限内に申告することです
- 65万円は、55万円の条件に加えて「e-Taxで申告する」か「仕訳帳と総勘定元帳を電子帳簿保存する」のどちらかが必要です
- 期限(翌年3月15日)を過ぎると、55万円・65万円は受けられません。自分のケースは国税庁の情報を確認するか、税務署・税理士に相談しましょう
ひとことで言うと
青色申告をしている人は、所得から一定の金額を差し引ける「青色申告特別控除」を使えます。
いちばん大きい65万円の控除を受けるには、きちんとした帳簿づけと、e-Taxでの申告(または帳簿の電子保存)が必要です。
条件に当てはまらない青色申告の人は、10万円の控除になります。
この記事の信頼性
- 情報源
- 国税庁 タックスアンサー(No.2072 青色申告特別控除・No.2070 青色申告制度)
- 情報の確認日
- 2026-10-28(ページは「令和8年4月1日現在法令等」)
- 掲載方針
- 国税庁が公表している内容だけをまとめています。税金の個別の判断は扱いません
目次(9項目)
青色申告特別控除とは?
国税庁のタックスアンサーNo.2072によると、青色申告をしている人には、いくつかの特典があります。その1つが、所得金額から一定の金額を差し引ける「青色申告特別控除」です。
| 控除額 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 65万円 | 55万円の条件+「e-Taxで申告」または「電子帳簿保存」 |
| 55万円 | 正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳し、決算書を添付して期限内に申告 |
| 10万円 | 55万円・65万円の条件に当てはまらない青色申告者 |
この表の見方:上にいくほど条件が増えます。65万円は、55万円の条件をすべて満たしたうえで、さらに1つ条件を加えたものです。
言葉のメモ:
- 青色申告:一定の帳簿をつけて申告する人が、税金の計算で有利な扱いを受けられる制度です。青色申告ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得のある人です(No.2070)。
- 控除:所得から差し引くことです。控除が大きいほど、税金を計算するもとになる金額が小さくなります。
55万円の控除を受ける3つの条件
タックスアンサーNo.2072では、55万円の控除を受けるための条件が、次の3つとされています。
| No. | 条件 |
|---|---|
| (1) | 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること |
| (2) | これらの所得に関する取引を、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳していること |
| (3) | (2)の記帳をもとに作った貸借対照表・損益計算書などを確定申告書に添付し、控除を受ける金額を書いて、確定申告期限(翌年3月15日)までに提出すること |
この表の見方:3つすべてに当てはまる必要があります。(3)の「確定申告期限」は、タックスアンサーで「翌年3月15日」と書かれています。
55万円について、No.2072に書かれている注意点:
- 「現金主義による所得計算の特例」を選んでいる人は、55万円の控除を受けられません。
- 不動産所得と事業所得の合計が55万円より少ない場合は、その合計額が控除の上限になります。
- 還付申告をする人でも、55万円・65万円の控除を受けるには、確定申告期限(翌年3月15日)までに申告書を出す必要があります。
言葉のメモ:
- 複式簿記:1つの取引を「お金の出どころ」と「使いみち」の2つの面から記録する帳簿のつけ方です。
- 貸借対照表:年末時点の財産や借入金などをまとめた表です。
- 損益計算書:1年間の売上と経費、もうけをまとめた表です。
65万円の控除を受ける条件
タックスアンサーNo.2072では、65万円の控除の条件は次のとおりです。
-
条件1
上の「55万円の控除」の条件に当てはまっていること
-
条件2
次のイかロのどちらかに当てはまっていること
| 条件2の選択肢 | 内容 |
|---|---|
| イ 電子帳簿保存 | その年分の事業の仕訳帳と総勘定元帳を、電子帳簿保存していること |
| ロ e-Taxで申告 | その年分の確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを、確定申告書の提出期限までにe-Taxで送信すること |
この表の見方:イとロは、どちらか1つを満たせば大丈夫です。両方そろえる必要はありません。
それぞれの注意点(No.2072):
- イの電子帳簿保存で65万円を受けるには、仕訳帳と総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存し、一定の事項を書いた届出書を、その年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに出す必要があります(2022年分以後)。
- すでに要件を満たして65万円の控除を受けていた人が、2022年分以後も続けて要件を満たしている場合は、届出書を出す必要はありません。
- ロのe-Taxでは、確定申告書・貸借対照表・損益計算書などを、イメージデータ(画像)で送信することはできません。
言葉のメモ:
- e-Tax:税金の申告をインターネットで行うしくみです。
- 仕訳帳:取引を日付の順に記録する帳簿です。
- 総勘定元帳:取引を「売上」「消耗品費」などの科目ごとにまとめた帳簿です。
- 電子帳簿保存:パソコンで作った帳簿を、紙に印刷せずに電子データのまま保存することです。No.2072では、2022年1月1日から、電子データのまま保存する場合の税務署長の事前承認が不要になったと案内されています。
65万円・55万円・10万円で税金がいくら変わるかは、青色申告の節税額の計算ツールで確認できます。
10万円の控除になるのは、どんなとき?
タックスアンサーNo.2072では、10万円の控除は、55万円・65万円の条件に当てはまらない青色申告者が受けられるとされています。
| ケース | 受けられる控除 |
|---|---|
| 55万円の条件をすべて満たし、e-Taxで期限内に申告した | 65万円 |
| 55万円の条件をすべて満たし、紙で期限内に申告した(電子帳簿保存もしていない) | 55万円 |
| 青色申告者だが、複式簿記で記帳していない(簡易な記帳) | 10万円 |
| 青色申告者だが、確定申告期限(翌年3月15日)を過ぎて申告した | 10万円 |
この表の見方:No.2072の条件を、よくあるケースに当てはめた例です。下の2つは、55万円の条件のどれかを満たしていないため、10万円の対象になります。実際にどれに当たるかは、ほかの条件もふくめて確認してください。
10万円について、No.2072に書かれている注意点:
- 不動産所得・事業所得・山林所得の合計が10万円より少ない場合は、その合計額が上限になります。
No.2070では、青色申告の記帳は正規の簿記が原則だが、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳のような帳簿を備えて簡易な記帳をするだけでもよい、とされています。この簡易な記帳の場合は、55万円の条件(2)に当てはまらないため、10万円の控除になります。
65万円を受けるまでの流れ
- 1承認申請青色申告をはじめる年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を出す(No.2070)
- 2記帳1年間の取引を、正規の簿記(一般的には複式簿記)で記帳する
- 3決算書貸借対照表と損益計算書などを作る
- 4申告翌年3月15日までに、e-Taxで確定申告書と決算書を送信する
青色申告をこれから始める人は、まず「青色申告承認申請書」を出す必要があります。No.2070では、提出期限が次のように案内されています。
| 区分 | 青色申告承認申請書の提出期限 |
|---|---|
| 原則 | 青色申告をしようとする年の3月15日まで |
| その年の1月16日以後に新しく業務を始めた場合 | 業務を始めた日から2か月以内 |
この表の見方:どちらも、納税地の所轄税務署長に出します。相続で業務を引き継いだ場合など、ほかのケースはNo.2070で確認してください。
帳簿と書類の保存について、No.2070では、帳簿や書類は原則として7年間保存し、請求書・見積書・納品書・送り状などは5年間でよいものもある、とされています。
会計ソフトを使うなら
複式簿記での記帳やe-Taxでの申告は、手作業でもできます。会計ソフトを使う方法もあります。料金・機能は各公式サイトで確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 65万円の控除を受けるには、e-Taxが必須ですか?
A. 必須ではありません。タックスアンサーNo.2072では、e-Taxでの申告のほかに、仕訳帳と総勘定元帳の電子帳簿保存(優良な電子帳簿の要件と届出書が必要)でも、65万円の条件を満たせるとされています。
Q. 紙で申告すると、いくらの控除になりますか?
A. 55万円の条件をすべて満たし、電子帳簿保存もしていない場合は、55万円です。55万円の条件を満たしていない場合は、10万円になります。
Q. 申告が期限を過ぎてしまったら、どうなりますか?
A. No.2072では、55万円・65万円の控除を受けるには、確定申告期限(翌年3月15日)までに申告書を出す必要があるとされています。期限を過ぎると、この条件を満たさないため、55万円・65万円の控除は受けられません。期限後の申告の手続きについては、税務署に確認してください。
Q. 自分がどの控除に当たるか分かりません。
A. 所得の種類や記帳のしかた、申告の方法によって変わります。この記事は、国税庁の公表内容をまとめたものです。自分のケースについては、国税庁のホームページで最新の情報を確認するか、税務署や税理士に相談してください。
情報源
- No.2072 青色申告特別控除(国税庁 タックスアンサー)(確認日:2026-10-28)
- No.2070 青色申告制度(国税庁 タックスアンサー)(確認日:2026-10-28)
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